12月18日(日)、文化交流館なちゅら大ホールで、「映画『瞽女 GOZE』上映と座談会、瞽女唄演奏会」を開催しました。
瞽女(ごぜ)とは、20世紀には新潟県を中心に各地を巡り活動した女性の盲人芸能者で、明治から昭和30年代まで飯山地方でも巡業を行っており、飯山市にもその足跡が残されています。
公演では、まず実際の瞽女唄演奏など幅広く活動する広沢里枝子さんが登場。
広沢さんは静岡県のご出身ですが、長野大学在学中に病気のため視力が低下、失明の後、この日上映する映画でも取り上げられている瞽女・小林ハルさんに師事した萱森直子氏から越後瞽女唄を習い、現在は東御市に在住、信越放送のラジオ番組「里枝子の窓」のパーソナリティーとしても活躍されています。(「里枝子の窓」公式サイト)
広沢さんには「これを聴かないと瞽女唄を聴いた気がしない」と言われたほどの代表的な演目「葛の葉」など2曲をご披露いただきました。
続いて映画「瞽女 GOZE」の上映会では、開始に先立ち配給会社キッズの社長であり、この映画の監督・瀧澤正治さんのご息女の瀧澤友季子さんよりご挨拶をいただきました。
社長より監督の思いを聞き、いよいよ映画上映。
「最後の瞽女」とされた小林ハルさんの壮絶な人生を描いた作品に、涙したり、「生きる」ということそのものについて考えたお客様も多かったようです。
映画上映後は、先程ご登場いただいた広沢さんに加え、瞽女を題材とした作品を制作されている画家の渡部等さん、越後瞽女の生き様を語り継ぐ活動をされている詩人の国見修二さんにご登壇いただき、映画「瞽女 GOZE」の阿部プロデューサーの司会で「越後瞽女と信州」と題し座談会を開催しました。
座談会では、瞽女と人々の交流などについて話題が広がり、話の中で会場に「実際に瞽女と会った方」を訪ねたところ、意外なほど多くの挙手が。
飯山の文化の中に根付いた瞽女の存在の一端が垣間見えました。
座談会の終わりには瀧澤社長と、映画「瞽女 GOZE」の題字を書かれた書家の岡田凌雲さんが登場し、瞽女の書籍・Tシャツ・焼酎などのプレゼントがもらえる大ジャンケン大会が開催されました。
終演後はナカミチで瞽女に関する書籍や瞽女唄のCDなどが販売され、多くのお客様が立ち寄られていました。
信州・飯山にも足跡を残した瞽女にまつわる公演とあって関心も高く、大勢のお客様にご来場いただきました。
なお、なちゅらでの公演は終了しましたが、飯山市ふるさと館では「瞽女の歴史と文化、人々との交流」と題して、瞽女についてパネルで紹介する関連展示を12月19日(火)から1月28日(日)まで開催します。この公演で瞽女に興味を持たれた皆様、是非お出かけください。